捨て身になる
- 2010/04/26
- 00:38
第5回世界大会でのこと、大将として出場した団体戦の試合中にアキレス腱を切ってしまいました。
飛び蹴りを狙って踏み切った瞬間、「バーン!」という爆発音が頭の中で響き、気がついた時には全身が床に叩きつけられていました。
立ちあがろうとしたらグニャっとなって転び、てっきり足元に大きな穴が空いたんだと床を確認しました。
ぐるぐるに巻いていたテーピングのおかげで何とか立て試合を続行しましたが、前に出ることはできません。
それでも勝つ!として私の選んだ策は、『肉を斬らせて骨を断つ』でした。
完全なカウンター狙いです。
「さあ、打て!」と捨て身を覚悟した瞬間、不思議なことが起こりました。
滝に打たれている時のように頭が冴えわたり、コンタクトを装着してピントが合った時のように視界がひじょうにクリアーになったのです。
攻撃してくる相手の動きがビデオのスロー再生のようになり、面の奥の表情から、呼吸、感情さえ見えるようでした。
それ以前にも似た体験をしました。
自転車に乗っていて車に跳ね飛ばされて宙を舞った時。
バンジージャンプで谷底に落ちて行く時。
車の正面衝突で、フロントガラスに蜘蛛の巣のようにヒビが入っていく様を運転席で見たとき。
死ぬと思った瞬間、これまでの人生が走馬灯のように浮かぶといいます。
「邯鄲の夢」のごとく、ほんのわずかな時間が何倍にも感じられます。

※捨て身で入場したロシア格闘技イベントのオクタゴン
入院中のベッドの上で精神の不思議さについて考えました。
「完全に捨て身になったとき、違う世界が見えた」
この気付きから試合スタイルが大きく変わりました。スピードで翻弄していたのが、無駄な動きを極力すて、気で相手を制していくようになりました。
この大会に出るまでは、体力やスタミナの衰えを感じ、現役としての強さにおいてはピークを下り始めたと思っていました。しかし、アキレス腱断裂の体験後は、年とともにどんどん強くなっていったのです。実際その後の大会ではより好成績を収めました。
アキレス腱断裂というアクシデントのおかげで、精神と肉体の不思議な関係に気付き、練習、試合において実践し、そこで『心・技・体』の大切さの本当の意味を知ったのです。
捨て身から生まれる本物のリラックスによって、体力勝負でない強さを身につけることができました。

※捨て身で渡ったネバ川
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立ちあがろうとしたらグニャっとなって転び、てっきり足元に大きな穴が空いたんだと床を確認しました。
ぐるぐるに巻いていたテーピングのおかげで何とか立て試合を続行しましたが、前に出ることはできません。
それでも勝つ!として私の選んだ策は、『肉を斬らせて骨を断つ』でした。
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攻撃してくる相手の動きがビデオのスロー再生のようになり、面の奥の表情から、呼吸、感情さえ見えるようでした。
それ以前にも似た体験をしました。
自転車に乗っていて車に跳ね飛ばされて宙を舞った時。
バンジージャンプで谷底に落ちて行く時。
車の正面衝突で、フロントガラスに蜘蛛の巣のようにヒビが入っていく様を運転席で見たとき。
死ぬと思った瞬間、これまでの人生が走馬灯のように浮かぶといいます。
「邯鄲の夢」のごとく、ほんのわずかな時間が何倍にも感じられます。

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入院中のベッドの上で精神の不思議さについて考えました。
「完全に捨て身になったとき、違う世界が見えた」
この気付きから試合スタイルが大きく変わりました。スピードで翻弄していたのが、無駄な動きを極力すて、気で相手を制していくようになりました。
この大会に出るまでは、体力やスタミナの衰えを感じ、現役としての強さにおいてはピークを下り始めたと思っていました。しかし、アキレス腱断裂の体験後は、年とともにどんどん強くなっていったのです。実際その後の大会ではより好成績を収めました。
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